「発見されたように見えるもの」 Maison & Objet Pulse 2026に見た、手仕事と居心地のデザイン
パリ北部のヴィルパント展示場で9月10日から14日に開かれたMaison&Objet Pulseは、今年から9月開催の展示会の新名称となった(1月開催は「Premier」)。テーマは「Pulse in Motion」。実験的な試みや新しい才能に光を当て、約1,700社が出展した。
米国のメディアHouzzの会場レポートによれば、この展示会で目立ったのは「手仕事」だ。デザインされたというより「見つけた」と感じさせる佇まい、わざと不揃いにした仕上げ、独特の釉薬、伝統技法の再解釈が語られた。イタリアのメディアMohdも、ミニマルな空間から、より個人的で遊びのある住まいへと向かう流れを伝えている。人が集まる家具の見せ方も印象的だった。会場の演出を担ったStudio Masquespacioは、円形の座席を配置して会話が生まれる場を作り、「人のつながり」を主題に据えた。出展ブランドも、モジュール式や円形のソファ、スイベルチェア、必要なときに増やせるオットマンやベンチなど、柔軟で懐の深い座り方を提案している。素材では、木が「由来の物語」とともに示された。こぶや樹皮、粗挽きの幹、木目といった表情の違いを強調し、木の出どころを語るブランドが多かったという。色は温かみのあるニュートラルや茶、深い赤が中心で、そこに淡いピンクやオーカーが差し色として入っている。
ホテルのラウンジや共用部、集合住宅のラウンジを考える設計者にとって、「会話を促す座り方」と「素材の物語」は、仕様を検討するときの共通の手がかりになりそうだ。