藤田金属さんの商品に
一目惚れしちゃいました。
まずは、今回の協業に至った経緯から
教えてください。
MD三林きっかけは、私の一目惚れでした(笑)。数年前にあったキッチン用品の展示会で藤田金属さんの「お味噌汁パン」を見つけて、ビビビッときたんです。「ぜひともdinosで取り扱わせてほしい!というか、私がほしい!」と思いまして。
大江社長味噌汁専用の鉄鍋っていうのがキャッチーでおもろいし、鉄分が摂れるっていう健康志向のコンセプトもいいですよね。
藤田社長ありがとうございます。場所は東京ビッグサイトでしたかね?あんなでっかい会場で、見つけてもらってよかったです。
MD三林鉄鍋で味噌汁なんて、普通は錆びちゃいますよね。今まで見たことなくて、私としては衝撃の出会いでした。なんで味噌汁専用の鉄鍋をつくろうと思ったんですか?
藤田社長たぶん、よその会社じゃやらないと思います。それこそ「錆びるやん!」って。もともとはウチも、焼く・炒める・長持ちする・鉄分が摂れる、というのをウリにして鉄製品をつくっていましたし。ただ、あるとき思ったのが、「鉄鍋で料理すると鉄分が摂れる」って言われてるけど、ほんまはどれくらい摂れるんやろう?ということ。それで、専門の機関と一緒にデータをとってみたんです。そしたらね、いろいろ実験していく中で、どうやら味噌汁が飛び抜けて鉄分が出てるぞ、と。数値としては、普通の鍋の40倍も鉄分が多くなってたんですよ。じゃあ、それをメインに打ち出して商品をつくってみようか、というのがはじまりです。
MD三林すごいですよね。鉄分不足に悩んでいる女性は多いので、そのデータも含めて伝えていきたいって、この話を聞いたときに思いました。
藤田社長錆びの問題はもちろんあるんですが、ウチは「ハードテンパー加工」という独自の加工方法を取り入れていまして。製造工程の最後に、700度の高温で火入れを行い、仕上げにオリーブオイルを塗り込んでいます。これによって錆びにくく、焦げ付きにくい鍋になるんです。お客さんのお手入れもラクになります。とはいえ、まったく錆びないわけではないですから、鉄鍋を使う以上は、ある程度のお手入れは必要ですけどね。
大江社長最近は、鉄鍋の良さがだいぶ世の中にも広まってきましたから、その手間も含めて受け入れられてきてますよね。少し手間がかかったとしても、美味しいもの、本格的なものを求める人が増えてるんやと思います。
MD三林こういう開発工程のお話とか、知れば知るほど、いろんなこだわりを感じられて、ますます惚れちゃいました。そこで、まずご相談したのが大江社長です。サンアイさんは藤田金属さんと親交が深く、dinosもずっとお世話になっている問屋さんなので。
大江社長dinosさんから連絡をもらって、やっとこのときが来たか!と思いましたね(笑)。dinosさんと藤田金属さん、どちらもとにかくお客様を大切にされてる会社ですから、絶対に合うと思ってたんです。モノづくりのスタンスも通じるものがあるんじゃないですか?
藤田社長そうかもしれないですね。ウチは、いつも朝礼で「ほんまもんをつくれ」と社員に言っています。気を抜かず、細かいところにまでこだわりを持ってほしい。たとえば、1000個の商品を販売して、たった1個に不備があったとします。僕らからすれば1000分の1のミス。でも、それがとどいたお客さんからすると1分の1なんですよ。だからこそ絶対に手を抜いたらあかん、と。
MD三林ハードテンパー加工なんて、お客様想いの最たるものですよね。そのひと手間、ふた手間を製造工程に組み込んでいるおかげで、本来はお客様が使い始めにやらないといけないお手入れを省略できてしまう。私、感動したんです。そこまでしてくれるメーカーさんがあるんだなって。「dinosのお客様もきっと喜んでくれるはず!」と思いました。大江さんのサポートもあり、無事にお取引ができて本当によかったです。「お味噌汁パン」は、2024年のカタログに掲載することができました。そのとき私はメイン担当ではなかったのですが、展示会で出会ってからずっと大好きな商品だったので、当時の担当MDと一緒になって喜んでいました。
大江社長三林さんの読み通り、ヒット商品になりましたね!
MD三林お客様に商品の魅力が伝わったことが何より嬉しかったです。その後、藤田社長と再会したのが2025年2月のドイツでの展示会でしたね。
藤田社長そうやそうや。「お味噌汁パン、売れましたー!」って報告くれて。僕も嬉しかったですよ。
